水没して起動不能 MacBook Pro 13インチ 2020(Intel) 作業不可事例

ご相談内容: ワインを溢してしまい動かなくなった
原因: 水没によるロジックボードおよび実装部品故障
作業内容: 基板修理によるデータ救出を試みるも部品故障のため救出不可
ご覧いただきありがとうございます。
今回は作業続行できなかった事例です。
使用中にワインを溢してしまい電源が入らなくなったMacBookProのご依頼でした。
修理できるかどうか、できない場合はデータが救出できるかどうか検証してほしいとのこと。
ひとまず内部を確認します。



ケース内部は全体に液体が広がった状態でした。
すぐバッテリーの接続を切りましたが目視でもロジックボードには多数の浸水による破損が見て取れます。
恐らく溢した量が多かったか、後方の排気スリットや側面のコネクタ部から内部に浸水したものと思われました。
この時点で破損個所の多さからロジックボード自体の修理は恐らく難しいこと、データ救出もロジックボード自体が通電可能にならなければ不可能なので救出確率が極めて低いことを説明いたしました。
それでもデータ救出できる可能性が少しでもあるのなら……という事で一旦お預かりする事に。
店内作業では難しい状況でしたので、これ以降は専門のラボにて作業となります。
ラボでの検証作業ではロジックボード基盤の深い所まで破損が広がっていたため通電できず、基盤の交換が必要と判断されました(多層化された基板内部にも回路が入っていてそこまで破損が進んでいました)。
その後同型の基盤に主要パーツ(CPU、T2セキュリティチップ、SSD)を組み替えての動作検証を行ったようですが、T2セキュリティチップが故障しておりSSDへアクセスできず、データ救出も不可と判断されました。
この世代の機種はT2セキュリティチップが故障すると何もできなくなるので、残念ながら今回は作業続行不可という事で返却となりました。
2018年以降のMacBookPro、MacBookAirについてはAppleセキュリティチップの強力な保護がかかっています。
(M1以降のApple製CPUを使っている機種はCPU自体にセキュリティ機能が付与されています)
そのお陰で紛失盗難時の個人情報の安全が担保されていますが、修理や復旧作業時に色々と障害になることがあります。
特にセキュリティチップが故障した場合は、セキュリティで暗号化やアクセス遮断されているSSDからのデータ取り出しが非常に困難になります。
今回のような水没故障に限らず自然故障でもT2セキュリティチップの不具合は発生します(以前投稿したコラム https://mcdoctor.net/2026/08/05/column20260805/ 参照)ので、データのバックアップやクラウド同期は必須です。
最近のパソコンは記録装置がSSDになっているものが大半です。
SSDは一度故障するとデータ救出は非常に困難で、専門業者の設備がないとまず不可能と考えたほうがいいと思います。
(市販の救出ソフトなどではほぼ無理です)
企業や団体であれば、個々のパソコンに依存しない社内のネットワークサーバーなどへのバックアップや分散保存、多重バックアップは必須かと思います。
(外部へのデータ保存が認められるのであれば企業向けクラウドストレージを利用した同期処理も候補です)
個人のパソコンですとバックアップにあまり気を使わない方が多いのですが、無くしたくない大切なデータなどはMacならiCloud、WindowsならOneDriveなどと同期しておくか、外付けHDD/SSDなどに保存しましょう。
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